愛知万博体験レポート       公式HP→ 

2005年5月3・4日、愛知万博へ行った。
5月4日の入場者数14万9千人。この大混雑の2日間に出かけた体験から、少しでもこれから出かける方の参考になれば、と思い、レポートを記そうと思う。
まずは攻略法として全体的なことを、次に、参考として私の体験記を記す。


@愛知万博攻略法

【交通】
名古屋から万博会場へ行くには主に以下の4つのルートがある。
@地下鉄で藤が丘まで行き、リニモに乗る。
AJR(エキスポシャトル)で万博八草まで行き、リニモに乗る。
BJR(エキスポシャトル)で万博八草まで行き、シャトルバスに乗る。
C駅シャトルバスに乗る。
一番のお勧めはCだ。
リニモが有名で、皆一度は乗ってみたいのだろうが、これが大変に混雑する。
車両はたかだか3両程度、頻度は一番頻繁に出る時間帯でも6分おき程度、そして、浮いて走行するため、ぎゅうぎゅう詰めになるほどは乗れない。
輸送力はほとんどないのだ。リニモを交通手段と考えてはいけない。ひとつのアトラクションとして乗ったほうが良い。午後は空いているので、乗りたければ遅く行くか早く帰るか、だ。
Bのエキスポシャトルは、名古屋から万博八草までの直通電車で、並ばずに乗れるので便利だ。しかし朝は万博八草からリニモもシャトルバスもかなり待つ。
一番良いのは、Cの駅シャトルバス。会場から名古屋駅までのシャトルバスだ。全員席が確保されているうえ、かなり頻繁に出る。5/4の帰りですら、10分も待たずに乗れた。
混雑により入場まで予想以上に時間がかかることがあるため、特に事前予約をしている場合はかなり余裕をもって行くことをお勧めする。

【食事】
報道ではレストランがやたら混雑しているように伝えられていて、小泉首相が「弁当持込を許可したら」などという発言までしていたが、全てのレストランが混んでいるわけではない。外国パビリオンのやっているレストランなどは、GW中でもほとんど待たずに食べることが出来たくらい空いている。

【トイレ】
これはもうすばらしい。いたるところにあり、たいして並ぶことなく入れる。今のところまだ清潔。

【パビリオン】
万博の混雑が伝えられるが、これまた全てのパビリオンが混雑しているわけではない。混んでいるのは主に企業パビリオンだ。
企業パビリオンを中心に事前予約ができるので、これを利用するのが良い。
事前予約はインターネット(PC、携帯)で予約できる。予約してあれば、指定された時間に行くと並ばずに入れるというわけだ。TDLやTDSのファストパスが家で取れると思えばよい。が、
@入場者全員の入場券が必要(入場券に印字されている番号が必要)
A1日2件まで。
B予約と予約の間が120分以上必要
という制約がある。
1件予約してしまうと、他の日のパビリオンは空き人数すら見られないし、予約から120分以内のものも空き人数が見られない。2件とってしまうとどの時間でも空き人数が見られない。
その他、当日予約(これこそファストパス)、当日整理券もあるが、かなり早く行かないととれなかったり、整理券をとるために1時間半並んだりするので、いっそのこと普通に並んでしまった方が良いと思う。

【必需品】
5月上旬とはいえ、最高気温が27℃くらいあり、日差しも強く暑かった。が、山間部なので湿度は低く、不思議と汗は出ない。ハワイみたいな感じ?
日が落ちると一気に肌寒くなる。夏場がどの程度なのかはよくわからないが、今回の状況を踏まえて持って行った方が良いものを記すと、
@帽子または日傘(首筋までケアすることを考えれば日傘がベター)
Aサングラス
B携帯用椅子か座布団
C上着(薄いものと厚めのものと2種類くらいあると安心)
Dペットボトルホルダー
飲み物は持ち込みができないので現地で購入するが、持ち歩くためにはホルダーがあったほうが便利。
なお、会場内にはコンビニや自販機があり、市中と同じ価格で販売されている。(スーパーよりは高いけど。)


A体験記

当初は5/4のみ行くつもりだった。しかし、相当混雑が予想されること、特にリニモには乗れないことが予想されたので、5/3の午後から出かけてみた。

【事前予約】
出かける予定の10日前くらいに、初めてパビリオンごとの事前予約制度があることを知った。
もともと旅行などでも下調べをするのが面倒でキライな私。万博も行くことは決めていても、本屋でガイドブックをぱらぱらと見てその膨大な情報量にうんざりし、完全に逃避していた。

事前予約がネットできるらしいので頼むと言われ、調べてみたところ、企業パビリオンを中心に事前観覧予約ができることがわかった。
上にも書いたが、事前予約ができるのは1日2件まで。2件の間が120分以上開いている必要もある。
見てみると、GWは全滅に近いといっても良かった。が、週ごとの予約画面で5/4が×となっていても、ちょっといじって5/4のそれぞれの時間帯の空き状況を見てみるとごくごくわずかだが空きが見つかることがある。こうなるとがぜん競争心をあおられ、「取ってやるぞ!」という気分になってきた。

4/25か4/26、ガスパビリオンで2名の空きに遭遇。しかし、チケットは1枚しか持っていなかったので、2名の予約ができない。
すぐに友人に連絡し、翌日購入、その番号を持って翌日チャレンジしてみたところ、もう埋まってしまっていた(ノ_・。)もちろん他のパビリオンもなし。
4/28、グローバルハウスのブルーホールで空きに遭遇。なんだかわからないけど、とりあえず押さえておく。
それから毎日全パビリオンに当ってみるが、2名の空きはない。
5/2、事前予約は2日前までだから、今日が最後だ。最後になれば手放す人も出てくると踏み、23時半過ぎからあたってみると、△(空き少数)がぽろぽろ出てきた。
23:50頃、締切10分前、なんとかグローバルハウスのオレンジホールの空きに遭遇。またグローバルハウスか、ブルーとオレンジって何が違うんだろう、まぁいい、取ってしまえ!
こうしてなんとか2件予約をゲットすることができた。

【5/3】
12:20頃名古屋到着。昼食にきしめんを食べ、宿に荷物を置き、14:00頃出発。
朝や帰りには混雑が予想されるリニモに乗ってみた。
地下鉄藤が丘の駅を出たリニモ乗り場はガラガラ。導線のロープがびっしり張り巡らされているが、人はいない。係員もゴロゴロしているが、ヒマしており、うんざりするくらいに「こちらでーす!」と声をかけられる。
リニモは3両くらいの編成。成田のシャトルみたいな感じで、駅にはガラス張りのガードがついている。



時刻表を見ると、一番混雑しそうな時間でも6分おきくらいだ。これでは輸送力は期待できない。
リニモは8mm浮いて走るという。(だからこそ大勢乗ることはできない。)でも乗っていて浮いている感じはしない。速度が出ないせいだろうか。
一番速く走るところで90kmくらいらしい。でもそんなに速い感じもしない。(一瞬だからか?)
15分ほどで万博会場に到着。
午後なので、チケット売り場も空いている。
が、会場内は混んでいる。人気のパビリオンの待ち時間は、ガスパビリオンで100分、日立館が190分、東芝館が180分、トヨタ館も180分くらいだっただろうか。ディズニーランドですら90分程度しか待ったことないのに、3時間!ときすでに15時すぎ。どうせひとつしか乗れないので人気の日立館に並ぶことにした。



3時間立ちっぱなしって想像がつかない。ひかりで東京から大阪までいっちゃいますよ?のぞみだったら自宅から大阪まで行けちゃいますよ。その時間、ただひたすら立って待つ。考えられない!でも未知の世界にチャレンジすることにした。
万博は会期のほとんどが夏場になるため、待ち時間も快適に並べるよう屋根が大きく作られている。が、3時間を超える待ち時間の場合は、屋根になど入りきらない。さらに、日立館は西日が差すので、屋根の真下に入っても日差しがどんどん入り込んでくるのであった(ノ_・。)
18時半過ぎ、ようやく入館。パビリオンの内容はHPをご覧ください。
面白いことは面白いが…うーん、3時間待つほどだろうか。1時間ならまぁOKかな。

出てきたら19時半近かったので食事をすることにした。せっかくだから、外国パビリオンで普段食べられないものを食べたい。膨大な待ち時間の間にチェックしておいたルーマニア館のレストランへ。キッコロゴンドラに乗り、外国パビリオンの集まっているグローバル・コモン4へ。
外国パビリオンはほとんどがガラガラだ。スタンプラリーをしている人たちが出口で我先にスタンプを押しているくらいで、本気で中を見ている様子はあまりない。もっともパビリオン自体もお土産屋と化していて、見せようという気があまり感じられないが。
ルーマニア館も人が少し並んでいたが、レストランはまったく並ばずに入れた。そこでルーマニア料理とルーマニアワインをいただいた。



食事を終え、帰ることにした。駅のある北ゲートへは天然ガスバスで向かった。
北ゲートからはリニモへ大勢が向かっていて、どうしようかと思っていたところ、万博八草行きのシャトルバス乗り場へ行く人があまり多くなかったのでそちらへ向かってみた。シャトルバスはかなり頻繁に出ており、10分程度の待ち時間で乗ることができた。バス乗車時間は5分程度。万博八草からは名古屋への直通電車エキスポシャトルが出ており、これも座ることができた。絶対リニモより早い。
実は、万博八草から万博会場までリニモで戻り、そこから地下鉄に乗ろうともくろんでいたのだが、そういう輩を阻止するためなのか、この時間はもう八草からリニモに乗ることはできなかった。


栄の「世界の山ちゃん」で手羽先を食べようとしたが、満員で入れなかったのでテイクアウトして帰った。

【5/4】
今日は予約がある!グローバルハウスのオレンジホールが11:30、ブルーホールが18:40だ。
何時に行こうか。開場は9時だが、おそらくその時間はめっちゃ混んでいるだろう。そして、予約の30分前には入場しないと予約が確定しないから、11時までに入っておく必要がある。
結局、9時半着をめざし、1時間待ちくらいのものがあれば入ればいいね、という計算で出かけることにした。

ちょっとのろのろしてしまい、万博八草の駅に着いたのが9:45くらいだっただろうか。八草からリニモは30分待ち、シャトルバスは10分待ち、と表示が出ていたので、シャトルバスを選択。しかし、バスも10分では到底乗ることはできず、30分くらい待ってようやく乗ることが出来た。結局入場したのは10:40くらいだったろうか。11時を目指してきていたら、予約に間に合わなかったかもしれない!危ない危ない。
何も見る時間はないので、各パビリオンの待ち時間等をチェックしてトイレと飲み物を調達することにした。昨日も日差しが強かったが、今日はさらに暑くなりそうだった。すでに強い日差しが差している。飲み物は必須だ。

このとき日立館は300分待ち!!こんな暑いなか5時間なんて、なんで並ぶ気になるんだろう。昨日行っておいて良かった。
ガスパビリオンは140分、東芝館は190分だったか。トヨタ館はよくわからないが、皆シートを広げて座り込んでいる。3時間はかたいな。

ガスパビリオンではまだ当日整理券の配布が残っているという情報が出ていた。係員に聞いてみると、「そこに並んでいる人たちが12時配布開始の整理券待ちだ」という。今10:40ですよ?整理券待ちで1時間半も待つの!!だったら普通に並んだ方がマシじゃないのかしら。。。なぞ。
トイレなど済ませ、グローバルハウスへ。

前日に知ったのだがw、グローバルハウスはマンモスが見られるところだ。永久凍土から出土したマンモスの頭と脚が展示されている。これにNHKのスーパーハイビジョンがくっついたのがオレンジホールであり、ソニーのレーザービジョンがくっついたのがブルーホールである。ホールで映像を見た後並ばずにマンモスを見られるというわけだ。マンモスだけなら予約をしなくても見られるが、これには長蛇の列が出来ていた。
オレンジホールではまず外で並んでいる間に1分半観客を撮影する。これがあとでスーパーハイビジョンで見られるというしかけだ。
スーパーハイビジョンは確かにきれいだった。しかし…。立ち見なのだ!私たちは来たばっかりだったから良かったようなものの、夕方に「ようやく座れる!」と思って来たらがっかりするだろうな〜。
上映後、マンモスの剥製みたいなものなど見たあと、目玉の冷凍マンモスへ。
上野動物園のパンダのように、ガラスケースの向こうにマンモスがあり、通路が上下2段に分かれている。そして立ち止まらないように動く歩道があり、それに乗せられて数十秒眺めて終了だ。これを見るため、何時間並ぶ人がいるんだろう。。。

昼食をパキスタン館でカレーを食べたあと、1つ並んでみることにした。東芝館は180分、ガスパビリオンは100分。日立館も190分くらいになっている。どうやらこのあたりが恒常的な待ち時間らしい。
3時間並ぶのはさすがにキツいと思い、ガスパビリオンに並ぶことにした。実際には70分程度で入ることができた。ラッキー!(と思ってしまうあたりで、感覚が麻痺しはじめている。)
はっきり言って、これはおすすめしません!USJのバックドラフトみたいに圧巻の炎のパフォーマンスが見られると思ったのだが、全然つまらない。それに、役者の演技も寒く、歌も超ヘタで、客がみなひいていた。空いていて待ち時間0だったら座れるから入ってみてもいいのでは?って感じ。
ガスパビリオンは唯一屋上に上がれるパビリオン。屋上は緑化(花だが)されている。



屋上から見た景色はこんな感じ。
左の写真には各国の国旗とゴンドラが写っているんだけど…わからないかなw
右の写真で、日立館やトヨタ館の前に、待っている人のための屋根があるのがわかるだろうか。

 

その後、グローバルコモンへ行き、チュニジア館でチュニジアコーヒーとお菓子を食べた。コーヒーはまるで泥。マズー(ノ_・。)



時間があるので、瀬戸会場へ行ってみることにした。
瀬戸会場にはモリゾーゴンドラまたは水素バスが送迎してくれる。会場内の移動はみな有料だが、会場間はタダだ。
ゴンドラに乗ろうと思ったら、なんと70分待ち!しかも、瀬戸会場は18時までだ。行ったはいいものの、何も見られない可能性もある。
にも関わらず、みな並んでいる。どうかしている…
水素バスのほうへ行ってみると、こちらはすぐに乗れた。

会場に着いてみたら、結局面白そうなものは何もなかった。いるのは小さな子供連れと高齢者ばかりなり。
帰りこそゴンドラに乗ろうと思ったら50分待ちだった。早くしないとブルーホールの予約に間に合わないので、ぐるっと歩いただけでどこにも入らずゴンドラに並んだ。50分という表示はなんだったのか、20分で乗ることができた。
モリゾーゴンドラは、途中住宅地を通るということで約2分間ガラスが曇って外が見えなくなる。一瞬にして曇り、一瞬にして曇がとれるのは面白い。見えない間は少々不安感があるが。通り過ぎて振り返ってみても、そんなに至近距離を通っているわけではなかった。これなら電車や高速道路のほうがよっぽど近くを走っていると思うんだけど…
早く乗れてしまい時間が余ったので、自転車タクシーに乗り、グローバル・コモン3へ行く。アフリカ館のそばで、目的の1つであった澤田知子のアートを見る。



そうこうするうち18時を過ぎたので、ぼちぼちグローバルハウス・ブルーホールへ向かった。
ブルーホールでは、ソニーのレーザービジョンが見られる。予約していたはずなのに、やたら大勢が待っている。入れるのか?と不安になっていると…中は非常に広いホールだった。それもそのはず、縦4m、横50m(2005インチ)もの巨大スクリーンが広がっていた。スクリーンの全てが一度には視界に入らない!圧巻だ。映像も美しい。これは入ってよかった。
上映が終わった後、またマンモスを見て終了。

街に戻って食事をしようと思ったので、これで万博会場を後にすることにした。
今日は駅シャトルバスに乗ってみることにした。東ゲートまで5分程度歩き、バス乗り場へ。バスはどんどん来ているから並ばずに乗れるし、高速を走るから全員席が確保されている。名古屋方面へ行くならこれがおすすめ!

夕食は「味仙」へ。名古屋が発祥の地という台湾ラーメン(なぞ!)の店だ。台湾ラーメンに限らず、辛いものが多く、味も濃く、私好みの美味しいお店だった。


以上で、私の万博体験は終了!
個々のパビリオンは大満足というほどではなかったが、お天気に恵まれ、万博の雰囲気自体を楽しむことができた。
こんなに混んでいるのは、きっとGWとお盆だけだろう。混雑の様子は公式HPで画像が見られるので、ぜひチェックしてみていただきたい。