八ヶ岳(硫黄岳)登山日記

【DATA】
登った日  2005/9/10(土)〜11(日)
お天気   1日目 おおむね晴れ、2日目 おおむね曇
メンバー   9名
行動時間  1日目 7時間、2日目 3.5時間(休憩含む)

ハード度(主観)   ★★★★☆

■ルート■ 地図はこちら
(往路)桜平(1850m)⇒夏沢鉱泉⇒オーレン小屋(2330m)⇒赤岩の頭(2656m)⇒硫黄岳(2760m)⇒夏沢峠(2440m)本沢温泉(2150m)
(復路)本沢温泉⇒夏沢峠⇒オーレン小屋⇒夏沢鉱泉⇒桜平


今回は初の小屋泊登山。富士山は仮眠であって泊ではなく、尾瀬は泊まってけれど登山ではないからだ。
今回の高低差は約900m。これまでで大変辛かった大山、三の塔と同じ高低差だ。さらに今回は2日目がある!
どんなに辛いことかと恐々としていたが、意外なことに脚はさほど辛くはなかった。CWX(トレッキングタイツ)がかなり効いているのかもしれない。
それより、肩が痛くて本当に辛かった。今のザックは腰で支えられないせいかもしれない。買い替えを検討しよう。
頂上は霧(雲?)がかかって、木曽駒に続き眺望はゼロに等しかった。しかし、何よりすばらしかったのは温泉!泊まった温泉は、日本一高所にある野天風呂があるのだ。混浴だし、宿から山道を10分くらい歩くので、最初は入らないつもりだったが、男性陣が見張ってくれ、初野天風呂体験ができた。
なお、当初は2日目に根石岳(2603m)に登る予定だったが、私以上の初心者が膝が痛いということで上記のようなルートに変更になった。

1日目
【往路】
7時ちょうどのあずさ1号で新宿から茅野へ向かう。幹事のYくんがノロノロしていたせいで、前日には指定が満席になってしまった。「どうしよう」とうろたえるYくん。私が大月からなら空きがあることを確認し、とりあえずそれを押さえる。そして早めに行き、自由席に並ぶことにした。
集合の6:45近くになって、Y君が「ここにいるよ」コールを皆にする。指定じゃないから、自由のどこにいるか、携帯で連絡を取り合わねばならない。
すると、Aちゃんが「もうすぐ東京〜」とのんきな返事…ぼけ!集合は新宿じゃ!!朝早く中央線は頻繁に走っておらず、電車では新宿には間に合わないことがわかり、Aちゃんはタクシーを走らせることにした。次の列車でいいのに…。しかし、案の定間に合わず、無情にもあずさは発車。「しょうがないから茅野で待つか」と我々はのんびり朝食を食べながらおしゃべりしていた。八王子から乗ってきたNさんが「15分後に臨時列車が出るらしいよ」「おお!じゃあAちゃんもそんなに遅れないで来るね」と話していると、しばらくしてAちゃんから電話が入った。「大月で乗った!」ま、まさか、タクシーで大月まで来たのか!?聞いてみると、お父様を調布で車で待機させ、調布でタクシーから乗り移り、まず八王子を目指したそうな。結局八王子に間に合わなかったので、大月まで走らせたのだそうだ。おそるべし…。高速って特急より速いんやなぁ。
こうして無事全員揃って予定通り茅野に到着した。
茅野からはタクシーに分乗し、桜平というところまで約30分。桜平から先は車両は入れない。10:00頃、登山開始。

桜平からオーレン小屋までは比較的なだらかな山道。途中夏沢鉱泉で休憩しながら、2時間弱で登る。高低差は500mあることになっているが、それほどあるとは感じられなかった。
夏沢鉱泉ではカモシカに会えた!写真は後姿だけど…。イノシシの一種という感じ。



夏沢鉱泉からの景色。


夏沢鉱泉までの道のりで、しきりにキノコを狩りながら歩いていたおばさんの軍団があった。彼女達も夏沢鉱泉で休憩していたので話をすると、泊まるところが同じであることがわかった。む!あのキノコ、どうするんだろう!もしや食卓で出すまいな。自分らで調理してくれよ!
後に、オーレン小屋を過ぎたあたりで会った際「それ、今日食べるんですか」と何気なく聞いてみたら「えぇ、キノコ博士がいるから、見てもらうの。果たしてどれだけ食べられるのがあるかしら」。おーい!それもわからず摘んでんのかい!絶対自分らで調理してくれよ。頼むから食卓に並べないで(ノ_・、)

12:00前、オーレン小屋に到着し、昼食。最初は相変わらず「山頂でカレー」と言っていたのだけど、これ以上荷物は持てないからやめようと提案し、結局オーレン小屋で食べることにした。これは正解!ホントに荷物は重いし、山頂は風がびゅーびゅーで寒くて、とても昼など食べている場合ではなかった。
しかも、小屋の食事はすばらしかった。なんとボルシチ!それも、本当にジャガイモや人参がごろごろしていて、肉もちゃんと大きい肉が入っていて、しかも柔らかいのだ。これにサラダとパンがついて800円!とても山とは思えない。今回の登山で2つ目に素晴らしいことであった。

さっきまで写真のようにいい天気だったのだが、休んでいる間に急に曇ってきて肌寒くなってきた。山の天気はわからない。長袖を着、13:00、オーレン小屋を出発。
ここから硫黄岳山頂を目指すのだが、オーレン小屋から赤岩の頭までが一番つらいところだった。高低差で言えばせいぜい300mなのだが。
先頭を行くのは山オヤジ。今回は山初心者がいるので、ゆっくり登ることになっていた。確かに、オーレン小屋まではゆっくりだった。しかし、その後傾斜がきつくなっても、同じペースで登っていくものだから、かなりしんどかった。とうとう1人が「膝が痛い」と言い出したので、そこから少しペースダウンしてもらえた。
赤岩の頭は、稜線に出たところで、木曽駒でいう乗越浄土と同じような感じだ。そして、案の定霧が出ていてほとんど眺望がきかなかった。
ここから硫黄岳山頂までは20分程度だが、こんな岩場があるような急な勾配である。



14:35頃、山頂に到着!
山頂はだだっぴろく、強風が吹いていた。かなり気温も低かったと思う。
写真で見ると、なんか暗くて墓場みたい…

 

硫黄岳は火山で、山頂から火口が見える。



寒いので、写真を撮ったらさっさと下山開始。
夏沢峠までの下山道は、石がごろごろしていて、足にも負担がかかるし、安定しないので注意も必要だ。傾斜は急ではないが、気が疲れる。
途中、硫黄岳の「爆裂火口壁」がよく見えた。グランドキャニオンさながらだ。



急に寒くなったので、すっかりトイレに行きたくなってきた。夏沢峠までだ、と一生懸命耐える。
ようやく夏沢峠に着くと、な、なんと小屋が閉まっているではないかっ!
先に着いていたキノコ隊のオバサンが「誰も来ないから大丈夫よ」と野天トイレを勧める。やったことないし。。。でも次の小屋まで40分が想定されている。
うーーーん、ここはひとつ、初野天トイレ体験だ!
みんなが休んでいるところからちょっと奥まったところへ行き、無事初体験終了!こういうときの紙も、ゴミとして持ち帰らねばならないわけね。
だからみんなゴミはザックの外に出してるのかな。
ちなみに、誰も来ないわよ、とのんきに言われたが、そっちは別ルートの人が登ってくる登山道であった。やばかった!

そこから50分ほど下ると、ようやく今日の宿の本沢温泉。このときには、夏沢峠までの石の道で誰もが足の裏が痛くなっており、さらに私は肩が痛くてつらかった。50分が長く感じられた。
途中、今日泊まる本沢温泉の野天風呂が見えた。男性か?3人入浴しているのが見えた。さえぎるものは何もない。川べりにただ四角く囲った湯船があり、柵に服やタオルをかけてあるだけだ。宿からも遠そうだ。私は入らないな…と、そのときは思った。
17:00、本沢温泉到着。

温泉に着くと、キノコ隊たちがキノコを洗っていた。お願い!食卓には出さないで…

【本沢温泉】
17:00に着いたが、夕食は18:00からである。それまでにさっと風呂をすませねばならない。野天風呂へは山道を10分くらい歩く。暗くて危険なので、夕食後は行くな、という。そこで男性陣が急いで食事前に出かけていった。女性陣はうち風呂でさっと汗を流す。尾瀬の教訓で、シャンプーやボディソープが使えないことは想定できていたから、今回は汗拭きシートでさっぱり拭いてから浸かった。
この日の本沢温泉は「きのこ祭」ということだった。普段は出ないらしいキノコ鍋が振舞われ、にごり酒もサービスされた。
もしや、このキノコは…と思ったがどうやらこれは宿の人が用意したキノコらしい。安心したのもつかの間、「●●タケと△△タケを××風に料理しました。少ししかありませんが、みなさんでわけてください」と2種類のキノコ料理が回されてきた。あ!これは!もしや!と思って聞いてみると、やはり、キノコ隊が摘んできたキノコだった。やはり食卓に出てしまったか…まあ自由にとればいいのだから、やめてもよかったんだけど、結局食べちゃいましたヾ(;´▽`A``もちろん、無事でした!

食後の宴会中、男性陣が「野天風呂は素晴らしかった。ここまで来て入らないのはもったいないから、絶対入った方が良い」と言った。
「見張っててあげるから」。いやだよっ!と思ったが、聞いてみると、風呂からは見えないところで、見張り所みたいなところがあるそうだ。
風呂へはその道しかないから、そこで見張っていればほかの人(男性)が来ることはないという。
4時半に出発し、一番に行こう!ということになった。早い!と思ったが、消灯は20時だから、8時間は眠れるわけだ。

さて、翌朝。4時半に出るつもりで少し前に起き、コンタクトを入れた。が、まだ暗くて行ってはダメだと書いてある。
明るくなるのを待ち、4:50頃出発。そうはいっても薄暗いから、ヘッドライトで照らしながら歩く。富士山以外で役立つとはね。
5:00頃、到着し、初野天風呂体験!
そこいらの温泉宿の露天風呂とは違い、どっかで覗いているかも、という気はまったく起きない。茂みもないし、車では来られないから、わざわざ変質者がこんなところに潜んでいるはずがないと思えるのだ。登山道からは見えたけど、見知らぬ人だ、もうどうでもいいという解放感がある。川の流れのそばに、本当に質素なお風呂。硫黄の匂いがすごい。気持ち良かった。
前日男性陣が入浴写真を撮っていたので、私たちも撮ってみた。でもとても危険で、ここで公開できません<(_ _)>

 

2日目
【復路】
2日目は2603mの根石岳に行く予定だったが、膝の痛い人がいたので、あきらめ、最短ルートで帰ることにした。
私自身、多少つらいけれど、硫黄岳では景色を楽しめなかったから、少し頑張って根石岳に行きたい気持ちはあった。高い山は午後は霧が出やすいが、午前中は比較的晴れやすいからだ。しかし、二手に分かれるという選択はないようで、皆で最短ルートに行くことになった。
しかし、結果これは正解だった。登ったら当然降りなくてはならないわけで、時間もその分増えるのだ。肩が痛くて限界だったし、また、下山してすぐ雨も降ってきたので、これで良かったと思った。
7:30に出発し、11:00桜平に到着。
これは途中の「やすらぎの滝」の写真。



【下山後】
下山後「焼肉が食べたい!」という多数の声があがり、タクシーの運転手さんに焼肉屋がそばにあるお風呂屋を教えてもらった。
「牛角があるけど、昼間はたぶんやってないよ」と言われ、電話番号を調べて聞いてみようとしていたら、運ちゃんが無線で電話番号を聞いて教えてくれた。かけてみると、日曜日はやっているという!ラッキー!そこで、お風呂でさっぱりしたあと焼肉を食べて帰ることになった。
牛角だというのに、1人平均4500円も飲み食いしました。食いすぎです。。。

【最後に】
今回はかなりヘビーな行程だったにもかかわらず、ほとんど筋肉痛がなかった。これはCWX(トレッキングタイツ)とストックでだいぶ疲労が軽減されているのではないかと思う。また、マッサージ、ストレッチ、エアーサロンパスでケアをしたのも良かったのかもしれない。今後もこの3点セットをちゃんとやろう。
それより、肩が痛くてしかたがなかった。富士山でもそうだったし、尾瀬でもそうだった。今のザックは腰で支えることができないから、肩の負担が大きいのかもしれない。買い替えも検討しなくては。