木曽駒ケ岳ハイキング日記

【DATA】
登った日  2005/8/21(日)
お天気   霧(視界不良)
メンバー   2名
行動時間  3時間

ハード度(主観)   ★★☆☆☆

■ルート■ 
駒ヶ根⇒(バス)しらび平(1662m)⇒(ロープウェイ)千畳敷(2612m)⇒乗越浄土(2860m)⇒宝剣山荘⇒千畳敷

夏山は暑い。そこで、一度行ってみたかった高山登山をすることにした。とはいえ、下から登るなんて到底できないので、当然ロープウェイで一気に上がれるところを選択。場所は木曽駒ケ岳。ロープウェイで2612mまで登ることができる、お手軽な高山登山である。
しかし、行ってみたらひどい霧!視界は10m程度しかない。そのうえ強風だ。結局乗越浄土というところまで約250m登っただけで登山は断念し、千畳敷カールの散歩をしておよそ3時間の行程になってしまった。

【千畳敷まで】
今回は麓に1泊し、登山するコースを取った。なんといっても1泊分の荷物を持って登るのは、しんどい。しかも、ロープウェイを使う場合は、行程は5,6時間で済むので、何も山小屋で泊まる必要もない。そこで、麓に宿を取り、山の荷物は家から宅急便で送ってしまい、登るときも日帰り登山の荷物のみで上がるという、軽々コースを選択した。
麓の駒ヶ根高原からしらび平というロープウェイの駅まではバスが出ている。お盆や紅葉の時期といったピークのときには、ロープウェイが3時間待ちということもあるらしい!そんなことからも、麓に泊まっておくとラッシュにつかまらないで済む。
7:45発のバスに乗る予定で、7:30頃バス停に行った。すると、臨時バスが出るといい、予定より早く出発することができた。
バスに乗るとき、少し雨が降っていた。前日は晴れていたものの、さすが標高約3000m、山は雲を被っていたから、麓が雨ということは…ちょっといやな予感がする。
バスに乗ること約30分、8:00頃しらび平(1662m)に到着。ここからロープウェイで7分半、一気に2662mまで行くのだ。
しらび平ですでにやや肌寒い。そして、ロープウェイに乗ると、もう外は真っ白であった!何も見えない。上りながら、ときおり霧(雲?)が切れるところもあったが、千畳敷に着くあたりはまた真っ白な世界になってしまった。
千畳敷に到着すると、気温は14℃!初冬といった感じだ。そして外は真っ白…何も見えない(ノ_・、)
本当はすぐ近くに千畳敷カールが広がっているはずなんだけど、それすら見えない。



少し様子を見ようかと待ってみるが一向に変わらない。せっかくきたので、とりあえず少し登ってみることにした。9:05頃、千畳敷を出発。

【乗越浄土まで】
初めは千畳敷カールの遊歩道があり、高山植物を見つけて写真を撮りながら進む。
やがて遊歩道と登山道が分かれるところに来て、9:20頃登り始める。
まずは乗越浄土(のっこしじょうど)というところまで登る。標高差は約250m。かなり傾斜が急な岩場である。しかし、よく整備されていて、登りやすい(初夏くらいだと雪が残っていてやはり大変らしいが)。とはいえ、標高が高いので、最後の方は足は辛くないのに息があがってくる。

 

このとおり真っ白な世界。行く先が見えない。一体いつ終わるのやら。乗越浄土に近づくと、途端に風が強くなってくる。
9:55、乗越浄土に到着。



本来ならば、名前の通りまさに「浄土」で、360度の展望がきき、南アルプスが広がっているのが見えるそうである。
しかし、しつこいようだが霧で何も見えない。視界が10m程度だから、登山者だって突然現れるように錯覚するほどだ。
雨こそ降っていないが、霧で体も髪もびしょぬれである。レインウェアやザックカバーがこんなに活躍することになろうとは…
ここから宝剣山荘というところまではすぐなので、一旦そこで休憩を取ることにした。
40分ほど休んでも、天候に変化はない。むしろ風は強くなってきたようだった。昨年の富士山を髣髴とさせる。
この視界の悪さのなか、尾根歩きで強風にさらされるのは危険だ。しかも、中岳、駒ケ岳に着いたところで、やっぱり何も見えないのだ。
やむなく、ここで登山は断念し、下山することにした。

元来た道を引き返す。登山道の初めのあたりまで来たとき、一瞬霧が切れ、初めて千畳敷カールの様子が見えた。



【千畳敷カール】
不本意ながら登山も終わり、ここからは千畳敷カールを歩いてみることにした。
千畳敷カールとは、中央アルプスの主峰である宝剣岳(2931m)の真下に展開される数万年前の氷河によって深くえぐり取られた斜面のこと。短い夏の間は高山植物のお花畑となる。

 



【お花ギャラリー】

千畳敷カールで撮ったお花たち。上の写真の白い花はコバイケイソウである。群生していた。この花は養分をたくさん要するため、数年に一度しか花をつけない植物だそうで、2004年に7年ぶりに咲いたとか。もっとよく見てくれば良かったな。

チングルマ。これは咲き終わった後の様子だそうだ。 ヨツバシオガマ
ミヤマセンキュウ? ヤマトリカブト?
エゾシオガマ
これもミヤマセンキュウ? ムカゴトラノオ?
コバイケイソウ ミヤマクロユリ
シナノキンバイ?

【ハイキング後】
千畳敷カールを1周し、お腹も空き、トイレにも行きたくなったので、ハイキングは終了。
千畳敷のレストランで昼食を摂る。
ほかのお客さんとレストランの店員さんが話しているのを聞くと、お盆後はずっとこんな天気だという。昨日は雨まで降ったから、今日はまだマシだと。
富士山と同じなのね。標高が高いところは、やはり7月下旬から8月上旬なのだな。
昼食後、再度外の様子を見に行ってみると、とうとう雨まで降り出していた。
我々は雨に降られないだけまだマシだったかもしれない。霧で濡れはしたが、地面はしっかりしていたのだから。
12:50、ロープウェイに乗り帰途につく。

【ハプニング】
今回、初めて荷物を送ってみたが、なんと、ザックのポケットに差していたストックがなくなっていた!
ケースに入れ、バンドでおさえてはいたのだが、抜け落ちてしまったようだった。
ヤマトに連絡すると、すぐに探してくれ、東京の集積所に残っていたとのこと。「すぐに送ります!」と言ってくれたが、もう間に合わないので、自宅に返送してもらった。幸か不幸か、あまり登れなかったので不便は感じなかったが…。今後は、せっかくケースがあり、ベルト通し的なものがついているので、そこを通して抜けないようにしなくては。

【最後に】
今回は天候に恵まれず、せっかくの高山の眺望を楽しむことはできなかった。
次回はぜひ8月上旬に行きたいと思う。また9月下旬には燃えさかるような紅葉も素晴らしいらしい!これもぜひ見たいものである。
そして、教訓としては、上にも書いたが、ストックは抜けないようにしっかりと穴に通しておくことである。こちらにも非があったものの、ヤマトさんの対応の良さに感心した。先日郵便局で速達が指定日より2日も遅れたときに苦情を言ったとき、対応が悪くて非常に腹が立ったこととあわせて考えると、やはり民間は良いと思ってしまうのであった。