明神ケ岳登山日記

【DATA】
登った日  2004/8/8(日)
お天気   晴れ
メンバー   11名
行動時間  約6時間(休憩含む)

ハード度(主観)   ★★★★☆

■ルート■
小田急線で箱根湯本駅⇒バスにて明神平⇒鞍部明神ケ岳(1169m)⇒分岐怪しい下山道別荘地上明神平⇒バスにて小田原

おおむねこんな感じです。→ http://www.d-cue.com/hike/28.html

今回は総勢11名という大人数での登山。10名がウチの会社の人々で、7名がウチの部の人だ。かなり山ブームが来ている感じ!
日帰り登山も3回目ともなると、いまひとつ記憶に残りにくいが、なんとか思い出して記録を残したいと思います。

【前日まで】
今回も山オヤジ中心の登山。本来山というのは、個々人が自分の食料を持って登るべきものなのだが、オヤジは山頂でカレーを作るのが大好き(そうやって山の楽しさを知ってもらいたい、という思いがあるようだ)なので、11人分の食料を準備しなくてはならなかった。
いつもはオヤジが自分で用意してくれるのだが、あいにく前の週は夏休みで不在。そこで、若手(といっても同い年だけどw)のYくんと私が買出しに出かけた。
11人分のスープ、カレー、カレーに入れるコンビーフとベーコン、ご飯、コーヒー、果物、クラッカー、紙皿、紙コップ、スプーン、箸。
そして、水12リットルくらい!これを男性が持つ。
それから、この人数で鍋1個にバーナー1個では時間がかかりすぎるので、これもYくんが自費で新たに購入!
Y君は登山派ではなかったが、今後間違いなく山に行くだろう。靴も買ってたし。

【当日】
当日は箱根湯本に9:18集合。しかし!1名寝坊して1時間近く遅れるというヤツがいた。悪いが自腹で新幹線に乗ってもらって小田原まで行ってもらうことにした。しかしそのおかげで無事10分遅れ程度で到着。新幹線は偉大だ。
前日箱根地方は雷雨がひどく、当日も雷雨が心配されていた。朝のうちは山頂付近は霧が出ており心配されたが、だんだん晴れてきて無事決行。

【箱根湯本〜明神平】
箱根湯本で人数分の調理用水を調達し、食料とともに男性のリュックに分けて(紙コップとクラッカーは私。ちゃんと装備があるので、半男性扱いだ。)10:00頃出発。バスにて明神平というところまで行く。
明神平のバス停で軽く準備運動をして、登山道まで10分程度、普通のコンクリートの道を歩く。
10:40頃、登山道到着。
 

【登山開始(明神平〜明神ヶ岳)】
登山道入り口はこんな感じ。
 
明神ヶ岳の麓あたりは別荘地で、左手に別荘が連なっているのを見ながら、その脇の細い登山道を登っていく。
登山道は幅30cmくらいのところもあって、これまで見た中で最も細かった。しかも、前日の雷雨のせいで、かなり滑りやすい。
もともと「ハイキングに行きませんか」という呼びかけだったため、ピクニック気分で来た人は「これはハイキングじゃない」と登山開始早々ブーイング。「別荘があるってことは、向こう側は車道があるはずだ。車で登れるはずだ」などと終始ぶつぶつw
また、登山用ズボンでない女性たちは、汗で脚に張り付いて大変登りにくかったようだ。
私もハイキングと聞いていたので、登山っぽいのも最初だけでそのうちなだらかになるんだろう、と思っていたけれど、全然そんなことはなく、いつまで経っても立派な登山道であった。


12:00頃、鞍部?に到着。多分あれが山頂。
 

確かこの辺で標高は1000mくらいになっていた。したがって、だんだん高い木がなくなってきて、日陰もなくなってくる。日差しがきつい。
山頂近くで、きれいなちょうちょ発見!こんなに近づいても逃げないし。
でっかいオニヤンマもたくさんいた。


13:00頃、登頂。

【山頂】
山頂ではやっぱりビール飲みたいね!と言っていた。きっと山頂に行けば売店があるだろう、と思っていた。
ところが、明神ヶ岳の山頂は、何もなかった。
売店どころか、日陰もなかった。トイレすらなかった。
山頂に来ていたほかの団体に「トイレはありませんか」と聞いたが「下山するまで多分ない」と言われ、愕然。
そこで、急に飲み控えることに。
山頂ではビールはなかったが、某高級ホテルに転籍しているOBが、ホテルのワインを持ってきてくれた!それに、フルーツ(それも、黄色いキウイ、ルビーグレープフルーツ、いちご。高級だ!)をむいて凍らして、タッパーに入れてきてくれた。なんてすてきなオジサマw
まずはワインで乾杯!水分が不足している、しかも空腹の体には、一口のワインでも一気に回る感じがした。
それからお湯を沸かして、調理開始。
今日のメニューもカレー。
 

さらに、今回はポップコーンも作ってみましたw


昼食を摂っている間に、だんだん黒い雲が出てきた。
雨に降られたら大変だ。ピクニック気分で来ている人たちは雨具など持っていない。
急いで食べ、食べ終わると同時にさっさと片付け始め、コーヒーとデザートはあきらめて下山準備。
満腹すぎてとっても体が重いがしかたない。
山頂で記念写真を撮って、14:40頃下山開始。
初公開!山オヤジ!3人の女性の真ん中の女性の後ろにいる白いシャツのおじさんです。左端が私。
 

【下山(明神ヶ岳〜明神平)】
明神ヶ岳からの下山道は一旦金時山方面へ尾根伝いに歩き、それから分岐を左折して下っていくコースを選択。
尾根歩きは気持ちいい。これぞハイキングだ!長い6時間のうちのほんの10分程度だったがw 左手には火口のようなものが見えた。


30分程度歩いたら分岐に出るはずだったが、25分歩いてもなんらそれらしい兆候がない。このまま金時山へ行ってしまうんじゃないか?と不安がよぎる。金時山へ行ってしまえば明るいうちの下山は難しい。しつこいようだが、多くはピクニック気分だ。ライトなど持ってはいない。
と、そのとき、遠くに標識が見えた。しかし、それは2方向の表示に見え、分岐が表示されているようには見えない。
若者Yくんが走って見に行ってみると、下にちっちゃく分岐のしるしがあった。が、そこには一見したところ道らしいものはない。
よく見ると、背の高さ以上の草が生い茂っているなかで、幅20cm程度草が切れている空間があった。どうもこれが道らしい!
標識には「明神平 1.0」とある。1kmではなく、おそらく1時間なのだろう。こんななかを1時間も歩けるか。そもそも道は続いているのか、それすらも怪しい。
40分程度降りてきたところ、引き返すのはつらいが、それもやむなしか…と思い始めたとき、オヤジが言った、
「ちょっと誰か行ってみろ。もしかしたらすぐに開けるかもしれん」
そこで若手のSさんが行ってみた。しばらくして「わーーー!」「ぎゃー!」と叫ぶ声が聞こえてくる。
みんなの顔が暗くなったそのとき、「あ、開けました、道あります!」
そこでさらに若手の男性が続き「いけます!」と。そしてみな続くことになった。
草で腕を切らないよう、長袖を持っている人は着ることに。もちろん私は持っていたが、何度も言うようだがみんなはピクニック気分なので、持っていない人がほとんどだ。あっても雨具であり、まるでサウナスーツだった。
その道は本当に10m程度の短いものだった。しかし、草深く、道はとても狭く滑りやすく、ときどき穴も開いていてかなりのサバイバルだったw
写真を撮らなかったのが本当に悔やまれるが、それどころではなかったのだ。

その後は、すべりやすい道をジグザグと降りていった。どう考えても、普段人が通る道ではなかった。V字になっている道もあり、おそらく雨が降ればここが濁流の通り道になるんだろう、と思われた。
途中、1度は道を間違えかけた。枯れ沢を横切らなくてはいけないのに、沢伝いに行きかけた。でも、ついつい広い道に行ってしまう、人間の心理をついていたと思う。また、その後も1度道を見失いかけ、真剣に「ここまで降りてきてもう戻るのはいや。遭難してもいい」と思うほどだった。
16:30頃、別荘地上の車道にあたり、無事下山。2人の靴底がはがれていた。

【下山後】
下山後は、普通の車道を15分程度歩いて、17:00頃、温泉「勘太郎の湯」に到着。汗を流した。
私は頭が痛くて痛くて、温泉に入って体があたたまるとなおガンガンしてきて、乾杯のビールもウーロン茶にしたほどだった。
しかし、ごくごくとウーロン茶を飲むと、すーっと頭が軽くなった。
トイレがないことで飲み控えていたが、これが軽い熱射病を起こしていたのかもしれない。

宴会後、帰途につく。帰りは小田原から新幹線。新幹線ってはやーいw

【教訓】
今回の登山の教訓は、以下のとおり。
@ヘッドランプは持参しよう(持っていかなかったけど、道を誤れば遭難の危険は低山でもあることを感じた。)
A薄い長袖は必携
Bトイレがなくても水分は十分に補給しよう

【最後に】
高尾山より登山自体はきつかったと思う。が、「もういやだ!」「脚が重くて重くてつらい!」ということもなく、心地よい疲労感で終わった。
かなり脚力もついてきたのかもしれない。ペースを落としていたせいもあるかもしれないが。
家に着いても全然つらくなく(大山のときは膝が痛くなった)、これでは筋肉痛も来ないのでは、と思えるほどだった。
もちろん、そんなはずもなく、翌日しっかり来ましたがw


今回、高度計測機能付きの時計を持ってきている人がいた。まぁ、知ったからどうなるというものでもないが、あればあったで面白いし、アウトドア用の時計を持っていないので、ぜひ買いたいと思っている。