尾瀬ハイキング日記

【DATA】
登った日  2005/7/30(土)〜31(日)
お天気   1日目 曇一時雷雨、2日目 晴れ
メンバー   7名
行動時間  1日目 4時間、2日目 6時間(休憩含む)

ハード度(主観)   ★★★☆☆

■ルート■ 地図はこちら。左側やや下あたりをご覧ください。
(往路)鳩待峠⇒山ノ鼻⇒牛首分岐⇒竜宮十字路⇒見晴十字路⇒赤田代(温泉小屋泊)(約11km)
(復路)赤田代⇒三条の滝⇒赤田代⇒東電小屋ヨッビ吊橋牛首分岐⇒山ノ鼻⇒鳩待峠(約13km)

今回は、担当役員の誘いで尾瀬へ行くことになった。
役員の声かけとあってはこまごまと世話役をしなければならず、ちょっとうざいこともあった。まぁ愚痴はいいとして。
尾瀬と言えば、ミズバショウ。でもこの時期ではない。7月中旬から下旬は、ニッコウキスゲがシーズンである。
声がかかったときにはわからなかったが、7月に入ると「今年はニッコウキスゲの10年に一度の当たり年」と、全国紙2紙やテレビでもその美しい写真や映像が報道されていた。富士山も絶好の気象条件だったし、今年はツイてる!…と思ったが、1週間ほど遅かったようで、残念ながら群生とまではいかなかった。

さて、今回は初めての小屋泊。富士山も一応小屋にはいたが、あれは仮眠であって、泊まったという感じではない。
1日目で11km歩行したあと、翌日はそれ以上歩く。1泊の荷物を持って!2日目に筋肉痛になるんじゃないか、とか、富士山の復路で非常に肩が辛かったことなどが思い出され、不安はあったが、基本は平坦なので(例外→滝までは山道!)楽勝であった。とはいえ平坦は平坦で山とは違う筋肉を使って、無痛というわけでもなかったが。

1日目
【往路】
東武線の東松山駅9:00に集合し、2台に分乗して出発。関越道を通り、沼田インターを降りて尾瀬戸倉というところまで車で行く。所要時間約2時間半。空いているときはもっと先まで行けるのだが、混雑時はマイカー規制があり、尾瀬戸倉で止められる。
尾瀬戸倉から鳩待峠までは20分程度のシャトルバスに乗る。ヘアピンカーブの山道で、ちょっと気持ち悪くなる。
鳩待峠は尾瀬ヶ原に入る玄関口みたいなところ。尾瀬は新潟県、福島県、群馬県の県境に位置しており、いろいろな入り方があるようであるが。



鳩待峠の休憩所で昼食を摂り、13:00頃出発。

鳩待峠からしばらくは下りである。1kmほど普通の山道で、その後尾瀬の特徴的な木道が始まる。木道もしばらくは下りである。



木道に入ったあたりから、雲行きが怪しくなってきた。午前中は天気がもっていたが、ごろごろと雷が鳴り出し、ぽつぽつ雨が降ってきた。これがすぐやむのかわからず、雨具をいつ装備したら良いのか、判断に迷った。音はしていても、木々がさえぎっていて意外に雨粒は落ちてこない。だんだん激しくなってきて、木立に囲まれていても大粒の雨が感じられるようになってきた頃、装備をすることにした。
7人のグループのうち、登山装備の知識があるのは役員と私くらいなものだった。もともと土日は雨の予報が出ていたので、「傘だけでなく、ザックカバーもしくはザックを覆えるビニールなどを用意した方がよい」と注意を促しておいたので、皆それなりの装備をしてきていた。
普段山に行っている人からは「傘」という発想はないと思うが、木道は平坦なので、傘で問題ないことが多いらしい。私もレインウェアは暑いので、傘とザックカバーで出発した。が、これは失敗だった。雨は土砂降りになってきた。上半身はいいのだが、ズボンのすそがびしょびしょになってきた。しかし、土砂降りになった後ではもうレインウェアを着るのは難しい。早め早めの装備が肝心なのだと実感した。
それから15分程度だろうか、歩いたところで、山ノ鼻のビジターセンターに着いた。
ここで、レインウェアを着ることにした。雨天時2度目の活用!

山ノ鼻のビジターセンターを過ぎるとあとは平坦な木道である。そこから1.5kmくらい(?)歩くと、尾瀬ヶ原の湿原が目の前に現れる。
それはもうとても広くて、平らだ。標高1400mのところに、こんな広い湿原があるとは!



そして最初のニッコウキスゲを発見!
 

ミズバショウが咲いているときはここがベストショットポイントだそうだ。



まぁしかし、あとはこれが8km延々と続くという感じでして、ラスト2kmなんかはもう早く着きたいとただただぜいぜいと歩くって感じであった。
富士山の最後ほどではなかったが、荷物も重く辛くなってきた。登山用のザックでない子たちは、もっと辛そうだった。
ちなみに雨は一時的なもので、降られたのは1時間程度であった。涼しく気温的には非常に良かった。
17:00頃、宿である赤田代の温泉小屋に到着。

【温泉小屋】
こんな湿原の真ん中に、温泉があるなんて、うふw
なんて思っていたが、甘かった。やはりしょせんは山小屋だった。
なんと、風呂ではシャンプーはおろか、石鹸の使用も禁じられていた。
えーーー!まぁ、富士山では風呂も入らず寝て翌日登ったわけだが、状況はちと違う。湯に浸かり、普通に夜寝て朝さわやかに皆で朝食を摂ろうってのに、そりゃないよー
罪悪感はあるが、洗面所で化粧だけはこっそり落とすべし!と決意する女性陣。でも、洗面所には液体石鹸が置いてあった。ほw なら許されるだろうw
シャンプーを使えないのではしかたないので、お風呂では体を流すだけで、洗髪はあきらめる。
しかし、皆が洗わずに浸かるわけだから、湯船だってそう気持ちの良いものではない。

夕食は、旅館の食事を少し質素にしたような感じ。ボリュームは十分である。ビールを飲んで、今日の疲れを癒した。
食事が終わって、部屋に戻る。ここは小屋とは名ばかりで、何百人も泊まれる、大きな宿だ。富士山のような雑魚寝ではなく、部屋がたくさんある。4畳半くらいの広さだが定員は6人だ。
我々は男女別の相部屋をお願いしていたが、結局誰も来ず、男性3、女性4がそれぞれ1部屋もらうことができた。
仲間だけで個室である!気兼ねがいらいない!そうは言っても、食事が終わるともうすることがなかった。テレビもない。携帯も通じない。遊び道具も持ってきていない。消灯までの約2時間、「長いね〜」と言いながらただぽつぽつとおしゃべりしながら過ごした。

2日目
【三条の滝】
2日目はまず三条の滝を見に行くことになっていた。三条の滝は、日経プラス1の「おすすめの滝」で5位に選ばれた滝である。温泉小屋からは1時間程度の距離だが、ここは完全な山道である。
6:00に朝食を撮り、7:00に出発。また宿に戻ってくるので、雨具程度だけの最小装備で向かう。軽い〜!
朝から天気は回復していたが、前日の雨で地面は相当濡れていた。とても滑るし、ぐちょぐちょで靴やズボンのすそが泥だらけになるほどだった。
スパッツを持ってくれば良かった…
道は、本当に普通の山道で、かなりきつい方だと思う。片道1時間だからそれほどくたばらなかったが、これが片道3時間ともなれば、相当にきつい山道だ。高尾山よりきついと思う。
そして、普通の登山と決定的に違うのは、先に下ることだった。初めての体験!
終わってみれば、意外にも、登りのほうがラクだった。下りながら、「これ、また上がってこなきゃならないんだよな」「もう引き返すか」と冗談が何度か飛ぶほど、下りは滑るし傾斜はきついし、大変だった。登りは1.5倍くらい時間がかかるのでは、と思われた。
しかし、もちろん呼吸はつらいが、時間的には下りとほぼ同じ時間で登ってくることができた。
これは、なんといっても雨による道の悪さだと思われる。後日、大楠山で濡れた道を下ってみたが、濡れていないときとは道が全然違うのだ。
乾いていたら、こうはきつく感じなかったかもしれない。
山道はこんな感じ。



さて、問題の滝であるが、まず三条の滝の前に平滑の滝という滝がある。これは1枚岩の上を滑るように下っていく滝だ。



そして、三条の滝。豪快でした〜



動画はこちら。横だけどもヾ(;´▽`A``

【復路】
温泉小屋に戻り、預かってもらっていた荷物を持ち、9:30復路出発。
往路とは少し違うコースをたどり、吊橋を渡るコースを選択した。こちらのコースはクマが出やすいとのこと!
役員が心配して皆に強制的に熊除けの鈴を買わせたので、皆でチリンチリンと鳴らしまくって歩いた。2人くらいついてりゃ十分だっつーの。
天気はすっかり回復。日差しは強かったけれど、木道が乾いてとても歩きやすくなっており、なんといっても景色が美しくて、往路とは比べ物にならないほど快適だった。往路でつりかかっていた右足膝の裏側も、全く痛くなくなっていた。

  



気持ち良く歩き、途中山ノ鼻で昼食を撮り、ラスト1〜2kmの登り。
2日間歩いてきて最後の登りがどれほど苦しいかと、往路ですれ違う人の息遣いを聞きながら不安があったが、心配したほどではなかった。
13:40、鳩待峠到着。

【お花ギャラリー】
尾瀬にはたくさんの花が咲いていた。花好きのY嬢のためにも、たくさん撮ってきたかったのだが、団体行動であるし、木道の1本道ということもあり、存分に撮ることができなかった。ぜひご自身で見てきていただきたい!
でも平均台的なところも結構あるので、十分覚悟していただきたい!

(左)ニッコウキスゲ (右)ヒツジグサ 小さいハスみたいです。
(左)キンコウカ?  (右)コオニユリかクルマユリ
(左)コバキボウシ? (右)アザミ?


【下山後】
2日目は暑く、大変汗をかいた。1日目は前述の通り、湯で流しただけで、髪も洗っていない。
戸倉のあたりで温泉に入ろう!ということになり、日帰り温泉に立ち寄った。もちろん、シャンプー、ボディソープOKのところ!
2回洗顔する予定がなかったので、クレンジングやら乳液やら下地やら持ってきていなかったが、いろいろ借りてなんとかなった。成せば成るものだ。
身も心もさっぱりし、帰路に途いた。

【最後に】
今回は、レインウェア、ザックカバー、熊除けの鈴、スパッツ(持って行かなかったけど…)といった日頃あまり使う必要のないものが活躍する場面があるハイキングとなった。こんな初心者コースで意外な展開だった。
今回の反省は、雨具の装備は早くすること!
雨で道が悪いことが想定されているのだったら、スパッツは持ってくること!
風呂でボディソープを使えないのだったら、先に汗拭きシートで拭いてからお湯に浸かれば良かったということ!(持ってたのに…)
こんなところかな?
また行く機会があれば、ぜひミズバショウまたはニッコウキスゲのシーズンのときに来たいものである。