三の塔、烏尾山登山日記

【DATA】
登った日  2004/11/27(土)
お天気   快晴
メンバー   8名
行動時間  約8時間(休憩含む)

ハード度(主観)   ★★★★★

■ルート■
小田急線で渋沢駅⇒タクシーにて大倉バス停(289m)⇒三の塔尾根三の塔山頂(1205m)烏尾山山頂(1136m)⇒烏尾尾根⇒新茅荘⇒戸川林道⇒大倉バス停(289m)⇒タクシーにて渋沢駅

こちらの図を見ていただくと、おおよそのコースがわかります。→ http://www2.plala.or.jp/kobato/main/omoteone.html

今回は総勢8名という比較的大人数での登山。本当は10月に紅葉登山を予定していたが、メンバーが集まらず、11月に延期になったものだ。紅葉時期は終わっているということで、紅葉を見られるかどうかにこだわらず、アクセスの良さ、展望の良さ、難易度を考慮して山オヤジが選択したルート。…だったが、きつかったっす(ノ_・。)

【当日】
3日前くらいまでの週間天気予報では、この日のみ雨のマークがついていたが、前々日には晴れ時々曇に変わり、前日には晴れマーク1つになっていた。迎えた当日、文字通り雲ひとつない快晴!気温も高く、絶好の登山日和となった。
当日は渋沢に8:10集合。5時起きだ(ノ_・。)前日9時まで仕事をして、軽く焼肉なんて食べて帰ったものだから、睡眠時間は3時間半。
渋沢から大倉バス停までは、バス停っていうくらいだからバスが出ているのだが、8名だったので4,4でタクシーで行くことにした。渋沢から5分程度で大倉バス停に到着。トイレ、準備運動を済ませ、8:46登山開始。

【大倉バス停(289m)〜三の塔(1205m)(三の塔尾根)】
大倉バス停にあるビジターセンターを出て左へ行くと、すぐに大きな吊橋(風の吊橋というらしい)がある。これをわたり、さらに左へ折れ、しばらくの間は舗装された道を行く。
これが風の吊橋。写真は傾いているが、ピサの斜塔のごとく傾いて建っているのではなく、撮影者の腕によるものですヾ(;´▽`A``


舗装された道を歩くこと約1時間。舗装道であり、景色も見えないから、はっきりいってつまらないし、その割りに結構キツくなってくる。舗装道だけで、200mくらい高度を上げただろうか。9:40頃、やっと登山口に到着。

三の塔へ向かう道は、三の塔尾根というコース。登山口から約700mほど上がる。コースはよく整備されており、ところどころきつい登りもあるものの、決して登りにくい道ではない。(例えば、異様に高い段差のある階段とか、岩場や鎖場があるといったことはない。)
しかし、今回は山慣れしているわけではないものの、健脚揃い。男性5人、女性3人だったが、男っていうだけで私より体力はあると思われるが、山オヤジであったり、フルマラソンを走る人だったりする。女性は、私のほかは、ホノルルマラソンも走ったこともあり、今回も登山翌日に10Kレースに出るという子と、学生時代ラクロスとかやっていて今もジムに通っている子。そんな彼らだから、おのずとペースが速くなる。ちょっと急な道になると、だんだん私の足がついていかなくなる。無理をすると絶対後でつらくなると思うから(富士山のときは、ゆっくりゆっくり行ったら疲れなかったしね)、マイペースで。。。と思っていると「はるちんwが渋滞をつくってるんだ」と実年齢39歳、見た目30代前半、精神年齢20台後半の男性に言われ、ちょっとカチンときつつ、でもペースを上げないと、思って少し無理をし、かなりきつい登山になった。
11月末とも思えないほどの高い気温で、日差しもあって、相当な運動量だったので、とても暑く、服装は長袖のアンダーに半袖Tシャツのみ。
左の写真は狭いけど緩やかな道。右の写真は、結構きついでしょう!
 

いいペースで登ったので、11:15頃、予定より45分も早く、三の塔山頂に到着。早すぎるんだよ、ちくしょー。
(しかし、後のことを考えるとこれは正解だった。)

【三の塔山頂(1205m)〜烏尾山(1136m)】
三の塔は眺望が良い!富士山は正面にどかっと見えるし、360度パノラマで丹沢山塊も見える。
写真、また傾いてますねヾ(;´▽`A``
 

本当ならここでお昼を食べたいところだけれど、ここにはトイレがない。当初の山オヤジの計画では三の塔だけだったが、自分で調べ、トイレがないことを知り、訴えたところ、もう1つ先の烏尾山に行けばトイレがあるということで、そこまで行くことになった。15分程度休憩し、再出発。山頂はさすがに涼しく、ちょっとの休憩で体も冷えてきたし、今度は下りだから暑くないだろうと思い、フリースを羽織って出発。
これが目指す烏尾山頂。


三の塔から烏尾山へは、足場の悪いガレ場を通る。標高差は70m程度下るだけだが、実際にはもっともっと下ってからまた最後登る。この下りが浮石があったりして本当に足場が悪い。ストックはかえって邪魔なのでしまい、両手を使って慎重に下っていく。
写真は下り始め。ここはどうということもない道だが、本当に厳しいところは写真を撮っている余裕がない。


12:10頃?、烏尾山山頂に到着。

【烏尾山山頂】
ここでやっとお昼にありつく!座りたい!しかし、ここの山頂には机はあるのだがなぜか椅子はない。今日に限って、山オヤジはレジャーシートも持ってきていないから、立ったまま調理し、食べるしかなかった。
まずは山頂で乾杯!オヤジがボジョレーヌーボーを持ってきた(瓶ごと!重いっての)ので、ワインでおしゃれに乾杯。
さらに、ビールも売っていたので、皆はビールも飲んでいた。
私は、トイレの心配と、相変わらず疲労すると頭痛がくるのでどちらも一口だけでやめた。
昼食は、もちろん今日もカレー。回を重ね、カレーの腕もだんだん上がってきて、今回は、こくまろを足したり、ガムマサラ(?)を加えたりして、濃厚な大変美味しいカレーになった。
 

烏尾山からも、富士山はよく見える。そして、今日はパラグライダーも飛んでいた。気持ちいいだろうなぁ。
 

ゆっくり食事をして、14:10下山開始。山頂ではやはり寒くて、長袖のシャツにフリースも着ていたが、動くと暑くなるだろうと思い、フリースは脱いで出発。

【烏尾山(1136m)〜大倉バス停(289m)(烏尾尾根)】
烏尾山の山荘のおじさんに道を確認し、下山開始。おじさんによれば、50分程度山道を下ったら林道にあたり、そこから1時間程度歩いたらバス停とのことだった。
「最初の方は頑張って道つくったんだけどさぁ、疲れちゃって途中までしかやってないんだよね」って。おいおい、最後までやってくれよぉ!
この道はかなり荒廃しているというが、おじさんがちゃんと道を教えてくれたんだから道はあるんだろう(古いガイドブックなんかだと、今では使われてなかったりするが)。
最初のうちは、ゆるやかな細い道をジグザグと下る。それから少し急になってきて、樹林帯を下っていく。こんな樹林帯、本当に道なのかなぁと思いながら下っていると、先が開けている(前方一面が空というか、地面がない)のが目に入る。なんで先が開けちゃうわけ?まさか道ないんじゃ…といやーな気持ちでそこまで下っていくと、案の定、道が途絶えた。と思ったが、そう見えただけで、道はあった。しかし、これ本当に道??と思うほど、急で荒廃した道だった。それでもここは道なんだよ!と安心させるかのように、かなりの頻度で登山道を示すリボンがついている。
急で足場も悪いので、ストックはしまい、両手であちこちつかみながら下る。岩・石も安定せずぐらぐらしているし、木も頼っていいものやら怪しいのが多い。実際、木を掴んだら根っこから抜けてしまって「ぎゃー!」と叫んでいる人もいた。前の人と少し離れると、その人がどこを歩いたのかもわからなくなってしまうほど、道とはいえないような箇所もあった。
そんな中を行けども行けども、終わりが見えない。山荘のおじさんが言う50分を過ぎても、全く終わりそうにない。これ本当に合ってるの?と何度も疑問を口にする私。でも、登山道であることは間違いないので(どこに行くかはわからないけれど…)、遭難したとは思わなかったが、あと1時間もしたら山中は真暗だろう、このまま野宿になるかも、という不安がよぎった。
とてもハードな下りだから、暑くなって、結局長袖シャツも脱ぐ羽目に。
これは下ってきた道。休憩中に撮ったもの。本当にすごいところは立つ場所もないので、撮れなかったが…


脚も相当疲労しているが、緊張しているから「疲れた」とか「膝痛い」とか思っている余裕もない。
不安にかられながら下っていると、すぐ左の道を軽快に下っていくおじいさんがいた!おじいさんは、もうすぐ林道だと教えてくれた。ほっとした!それにしてもなんで左側を?おじいさんは「こっちは歩きやすいですよ」と涼しげに言った。私たち、道間違えたのかしら(´・ω・`) まぁ、もうすぐならいいや。
それからほどなく、15:50頃だろうか、やっと林道に出た!良かった…
林道からは紅葉した山が夕日を受けているのが見えた。


やっと降りられた安心感で、今度はぺちゃくちゃおしゃべりしながらたらたらと歩いていった。
しかし、林道も1時間くらい歩くと聞いている。林道は広いけれど、街灯ひとつない。日没したら真暗だ。山に囲まれているから、街中よりも早く暗くなるだろう。
ということは、1時間もしたら真暗じゃないか!と歩調を速めて林道を下っていった。
林道を下ること約1時間。高さにして約300m。途中、キャンプ場の川にかかる幅50cm程度の板(ホントに、橋じゃなくて単なる板)を渡ったりして、今度こそ遭難か、といやな気持ちになったりもしたが、16:50頃無事大倉バス停に到着。日没ギリギリだ。登りで時間を稼いでいなかったら、結構危険であった。



この恐るべき?山道がホームページに載っていた。こんな感じの道です。これを下ったのだ。
おじいさんが下ってきた正しい道の方かもしれないけれど。ここの「写真ガイド」も合わせてごらんください。
http://www2.plala.or.jp/kobato/main/r-karasu.html

【下山後】
下山後は、タクシーで渋沢の健康ランドへ。オリコカードに入会すると、健康ランドの3回分の入浴券をくれるというので、男性3人が加入してくれて、皆タダで入った。
まさかこんなに汗をかくとは思わなかったから、シャンプーも持ってきてないし、クレンジングや化粧水なども持っていない。体の汗だけ流した。
お風呂に入ろうとザックを開けたとき、ビールの臭いがした。空き缶をザックに詰めて帰ってきたら、残っていたビールが漏れたのだ。ビニールに二重に入れておいたのだが、ハードな道で漏れてしまったようだ。いろんなものが濡れて、ビールの臭いもついてしまったが、幸い衣類はビニールにくるんであり無事だった。
入浴後、宴会。相変わらず頭痛がする私は、また1人ウーロン茶を飲んだ(´・ω・`)
宴会後、20時頃解散。

【教訓】
今回の登山の教訓は、以下のとおり。
@ビールの空き缶はザックには入れないようにしよう。入れる場合には、絶対に漏れないような工夫をしよう。
Aヘッドランプとエマージェンシーシートは持参しよう(やはり野宿の危険はつきもの。私は持っていたが各人が持つことが必要)

【最後に】
お天気最高!眺望最高!だったが、これまでで最大級の高低差、健脚揃い(少なくとも、私よりは…)ゆえこれまでで最高のスピード、足場の悪いガレ場や荒廃した道、、、でかなりハードな登山となった。約900mの標高差というのは、大山と同じくらいだ。どちらもとてもきつかった。時間的にもかなり厳しい。これが私には限界の高さと思う。700mくらいが程よい疲労感と達成感があるのでないだろうか。また、精神的な不安も持ちたくないので、あまりマイナーなルートはとりたくないものだと思った。