蓼科山登山日記

【DATA】
登った日  2006/8/26(土)
お天気   曇りときどき晴れ・霧
行動時間  約5時間(休憩含む)

ハード度(主観)   ★★★★☆

■ルート■
7合目(1900m)⇒天狗の露地(2150m)⇒将軍平(2350m)⇒蓼科山山頂(2530m)⇒将軍平(2350m)⇒天狗の露地(2150m)7合目(1900m)

この夏の山行は、蓼科山。夏は低い山は暑くてつらいので、去年も標高が高く涼しい山に行っている。
せっかくはるばる行くので、本当ならば山小屋泊でゆっくり登るがベストなのだろうが、1泊分の荷物を持って登るのは昨年懲りたし、ここの山の山小屋は結構キビシイものがあるので、それは避けたい。ベターは前後泊なのだが、それも難しいので、後泊のみとした。従って、行動時間は短く、一番最短コースを選択した。コースタイムは3時間程度だが、休憩もするし、何と言っても傾斜が急でかなり足場も悪い山。5時間もかかっちゃいましたヾ(;´▽`A``
そして、今回の山行では、初めて衝撃的な光景を目にすることとなった。詳しくは以下をごらんください。
翌日は、オマケで八島が原湿原を散策し、高山植物を鑑賞してきた。


【1日目】
10時頃の到着を目指し、朝6時前に家を出る。そんなに早く出ても中央道が混んでいて、7合目に到着したのは11時半頃だった。蓼科山にはいくつかコースがあって、早く着いたら2番目の距離のコースにしても良いかと思ったけれど、コースタイムで5時間半のコースだったので危険なので避け、一番短いコースにした。標高差は630m。この数字だけ見ればさほどキツイと思えないのだが、傾斜が急だったり、足場が悪かったりで結構キツかった。
コースはちょうどポイント(天狗の露地、将軍平)ごとでステージ(難易度)が上がっていくという感じである。
11:40頃登山開始。

【7合目〜天狗の露地〜将軍平】

7合目の登山口には鳥居が立っている。これは実は帰りに撮ったもの。霧がかかっているが、登山開始のときはかかっていなかった。
ちょうど着いたとき、汗だくで降りてきたオジサマがいた。おーもう下山なのね!でもコースタイムは3時間、8時頃登り始めれば確かにもうそんな時間だ。



ここから天狗の露地までは、比較的ゆるやかで、森の中を気持ちよく歩いていける。苔の美しい箇所もあって、目にも楽しい。



歩き始めてまもなく、かなり近くで救急車の音がした。民家もない場所だ、誰かケガでもしたのだろうか。
もうしばらく登っていくと、すれ違ったオバサマが「救急車は着きましたか?」と聞いてきた。
「15分くらい前かな?音は近くで聞きましたけど…」と私が言うと
「上で人が倒れてるんです。もう随分前に呼んだのに、遅いわね。みんなで心臓マッサージとか人工呼吸をしているのよ。」と言う。
心臓マッサージとかしてるってことは、ケガじゃないのだろうな。びっくりしてさらに登っていくと、上から「こっちだー!」と叫ぶ人。後ろを振り向くと、救急隊員が登ってきた。先導しているのは、さっき7合目で下山してきたオジサマ。どうやら救急隊員を迎えに降りていったらしい。
私たちが自らのペースで歩いていったのと、隊員たちが現場にたどり着いたのはほぼ同時だった。
「心臓マッサージとか、到着までやってくれって言うからやりましたよ。でももう冷たいよ。1時間も経ってるし、だめでしょ。」と居合わせた人。
そのあっさりとした口調や、「身元はさっき携帯にかかってきたから確認したよ」という会話から、その人たちは仲間ではないとわかる。
どうやらこの人は単独登山だったようだ。
隊員たちは電気ショックを少し試していたようだが、結局あきらめたらしい。
私たちもいつまでもヤジウマしているわけにもいかないので、休憩がてら3分ほどで通りすぎた。
その人は、51歳、男性。本当に一体何があるかわからないものだ。今回は人通りの多い山だったから皆が対応してくれたけれど(それでも助からなかったようだけど…)人通りがなかったら、滑落して登山道から外れていたら、発見はどんどん遅くなる。単独登山の恐さを感じた。

250m分、時間にして1時間弱くらいだろうか、ずっと同じような感じなので、少々飽きてくるコースである。が、今回はこんな出来事があったので、いつのまにか天狗の露地まで着いた。

天狗の露地から将軍平までは、標高差200m。しかし結構傾斜は急である。道はよく整備されているのだが、階段状で、一段一段足を上げるのが重く、つらくなってくる。おまけに空気も薄いのかもしれない。息もかなり上がってくる。コースタイムは20分程度の道なのだが、2回くらい休みながら、ようやく将軍平に13:10頃到着。

将軍平は名前のとおりたいらで、小屋もある。本当は山頂でお昼にしようかと思ったが、遅くなりそうだし、コースがきつそうなのでエネルギーをチャージした方が良さそうだし、食べて荷物も減らしたい。というわけで、ここで昼食にした。
13:40頃、登山再開。

【将軍平〜山頂】
将軍平からは岩がゴロゴロした露岩帯。岩は大きいし、上が平なわけでもないので、立つのも難しい。前半はストックを使ったが、そのうち岩を掴んで上がっていかなければならなくなり、ストックもしまう。
写真で傾斜を伝えるのは難しいが…下の方があまり見えない様子や、上を撮るとまるで壁の様子で、急な感じが伝わるだろうか?

 

やがて木立を抜け、下が見える。小さく見えている小屋が将軍平の小屋である。



この辺りからストックは使わなくなってきた。
どこを歩いたらいいのかもよくわからないので、かなりこまかくペンキで指示が書かれている。



小屋に書かれたコースタイムは30分、私の本に書かれたコースタイムは40分。そして実際は45分くらいで到着。
思ったより上出来だな。この岩場も相当きつかったけれど、私は天狗の露地〜将軍平の道の方がが嫌いだ。
14:25山頂到着。

【山頂】
蓼科山の山頂は、広い。火山だからか?1周したら1時間かかるよ、という声も聞こえてくる。でも広場ということではなく、岩だらけの殺風景な山頂だ。
独立峰なので、360度パノラマ!のはずなのだが、霧が濃く、全く眺望はきかなかった。景色が見えれば、殺風景とも思わないのだろうが…
やっぱり下でお昼にしてきて良かった。

 

かろうじて近くに見えた山に、縞枯れ現象らしきものがあった。右のほうが枯れているのだが、わかるかな?



いつまでもいてもこれくらいしか見えないので、14:50下山開始。

【山頂〜将軍平〜天狗の露地〜7合目】

将軍平までの岩場は、下りも難関!というか、下りの方が難関かもしれない。段差は大きい、しかも降りた先は平ではないから、飛び降りることはできない。
差の大きいところは、腰を落として(ほとんど座って)手で支えながら慎重に降りていく。
結局上りとほとんど同じ時間がかかり、将軍平に着いたのは15:30を回っていたように思う。
将軍平から天狗の露地までは、登りはきつかったが、階段状で足もとが安定しているので、下りはあっというまに、20分程度で降りていった。
天狗の露地から7合目までは、ゆるやかな下り。行きのような事件もなく、せいぜい40分くらいの道がだいぶ飽き飽きした。
16:30頃、下山。下山すると、上から霧が降りてきた。歩いているときじゃなくて良かった。

【終わりに】
今回は脚が上がらなくてきついと思ったけれど、いつも使い慣れている部分にはさほどの筋肉痛は起きなかった。
脚を高くあげなければいけなかったので、いつもとは違い太ももの上部の方が、痛くなった。でもまだ多少使っている筋肉なので、ひくのも早かった。
それよりも、腕と背中!腕の力を随分使ったので、二の腕や、ワキの下のやや下(ちょうどブラを締めるあたりw)がかなり痛んでおり、2日経った今も痛い
。・゜・(ノД`)・゜・。
それにしても、夏山はなかなか好天に恵まれない。何度目かの正直でスカっと晴れた日に当たりたいものだ。

【オマケ・2日目】

2日目は、車山高原内にある八島ヶ原湿原にいった。
車山に登ることも考えたが(リフトでw)、霧が濃く、何も見えないことが明らかだったので湿原にした。
1時間半くらいで1周できるようだが、1周しても景色はあまり変わらないだろうと、30分の距離を往復してすませた。

 



植物の写真もたくさん撮ったが…後日w